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近視

2006年09月07日 19:39


小さな十字架が
空にあらわれたから
神様だと思って
合掌したら
渡り鳥だった

夜道に白いものが
ふわふわ漂うから
幽霊だと思って
塩を撒いたら
ビニル袋だった

厭な思い出ばかり
眼の前に
ちらちらするから
くちびるを噛んで泣いたら
蚊柱だった

想像上の怪物が
部屋に居たから
空想の剣で深く突き刺したら
恋人だった

恋人は一晩中
泣き止まなかった
絵本を読み聞かせたり
くまちゃんを与えたりして
どうにか寝かし付け
眼鏡を作ってきたが

どういうわけか
厭な思い出だけ
眼前から消えなかった
そう云えば
蚊柱の季節は
とうに過ぎていたっけ

じゃあそれだけは
本物だったんだ
もうこんなに
遠くまで来たのに

わたしは
気弱に笑うしかない

新しい眼鏡は銀色で
わずかに冷たい
恋人が
泣き腫らした眼で
先生みたいだ

言った
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