スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

わたしが愛した五人の男

2006年07月27日 14:19

わたしが愛した五人の男は
なんだかみんな
かわいそうな人
ばかりだった気がする

十七のとき
足が速い男を愛した
一年ほど一緒に走り回っていたが
あるとき 日暮里の路上で
男は不意に走り出して
そのまま居なくなった
もう地球を一周した頃だろう
それでも
まだ走り続けているんだろう

十八のとき
朝を怖がる男を愛した
わたしたちは毎夜毎夜
土手に座って星を眺めた
ある日わたしがうっかり
朝に
男の家のカーテンをあけてしまったから
男はそのまま空気中に溶けていった
呆然とした顔をしていた

十九の五月
嫉妬深い男を愛した
二週間ともたなかった
男はいつなんどきでも嫉妬の炎を燃やした
それでわたしは大火傷を負って
病院に運びこまれたのだ
三日後 目覚めたら誰も居なくて
それきりだった

十九の七月
眠り男を愛した
眠り男はいつも眠っていた
一日に何分か起きて
わたしと二言三言はなして
また眠ってしまう
眠り男は眠りながら
じょじょにかわいて死んでしまった
あっけなさすぎて
涙も出なかった

二十のとき
分身する男を愛した
分身する男は
多いときには三人にもなった
うんざりしてしまう
喧嘩が絶えなかったが
いつもわたしが負けた
三対一では勝ち目がない
置手紙を残してさようならをした
そのあと三回
その男が違う女と歩いているのを見た
それはそうだろうな


分身する男と別れたのを最後に
わたしは森の中に分け入り
土の上に横たわった
また誰かを愛せるまで
何年か眠ろうと思う
ずいぶん疲れた

昼間の空は青ざめて
真っ白いくちびるみたいな月がでている
心細かったが
やがて眠れるだろう


スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。