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ちぐはくな三十一文字たち・2

2011年02月15日 03:22

☆Twitterに投稿した短歌たちです。訂正・編集した歌の下には投稿当時の歌を付記しました。



薄い翅ふるわす虫に似て辞書が風に捲れる或る晴れた午後

「60日分」と書かれたくすり見て60日後は春だと気付く
― 「60日分」と書かれたくすり見て2ヵ月あとは春だと気付く

暖かな息を吐きつつ昨晩の悪夢を空へと放つ早暁
― 早暁の空へ向かってにぎった手ひらいて放つ昨晩の夢

森の香の入浴剤をいれた湯に浸かるわたしは森をしらない

言の葉に色の付くのが厭だから口紅だけは塗らないでいる
― くちべには塗らない無色透明なことばをそっと発したいから

あおざめた少年少女が大人には見えぬ秘密の場所へ飛んでく

ひっそりと下着を洗う湯とともに君の目や手も流れ去ってく
― 付着した無数の眼や手をぬるま湯で流す下着を洗う真夜中

緊張と雨の気配と「ナボナ」抱き夜行バス待つ、夕暮れ、トーキョー

制服に似た傘の裏にやはらかな襞を隠して春子は伸びる

微酔いの夜 街灯もない道を指に火ともし独りで帰る

寄る辺なく途方に暮れるまっぴるま想像上の鳥になりたい

空色のゴミ収集車みおくった曇天の朝あおが見たくて

自販機で体温と同じぬくこさの缶コーヒー買う、じき春がくる

銀行のロビーで通帳ながめてる(出来れば僕は失踪したい)

おとなしい家畜を棄ててゆくように期限の切れたお菓子を捨てる
― 期限切れの菓子を棄ててるおとなしい家畜の死骸 棄てる気持ちで

はてしないこの世に句読点を打つようにぽつぽつ梅が咲いてる

うつくしい夢ばかり見る僕まるで心臓のないなまこみたいに

攻撃の術を持たずにうずくまり唇を噛むわたしはなまこ

「誰です?」と祖母に問われた窓際のベッド、西陽が射し込んでいた
― 未だ見ぬ古代生物みる顔で祖母がわたしにお辞儀をした日

履歴書の空欄うめる虫ピンで蝶の死骸を留めてくように

盛装のばかで可愛い女の子みたいにチョコが消費された日

愛という定理を証明するように板チョコ刻む午前二時半

まっしろいものにまみれて浮上する世界を見てたなすすべもなく

新雪に確かな足跡つけてゆくわたし必ず帰りますから



春子…春椎茸。春に収穫される椎茸は「春子」と呼ばれる。
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