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女子トイレについて

2010年05月17日 06:21


女子トイレの汚物入れの中には
真っ赤な色をした肉厚の花が
ふかりふかりと入っている



駅のホームのトイレには
いろいろのものが
置き忘れられていることが多いのだが
このあいだ
個室へ入ったら
トイレの便器のふたの上に
くしゃくしゃに丸められた
おそらく前に入った女の人の
恋人だか夫だかが
忘れられていたときには驚いた

あわわ
と思い
拾い上げて皺を伸ばしてあげたのだが
薄っぺらなその男性は
かたく眼を閉じたまま
二度と動かなかった
気弱そうな
青白い肌をしていた

駅員さんに一応
そのことを伝えてから電車へ乗ったのだが
電車に揺られているうちに
あの人は忘れられたのではなくて
捨てられたのではないか
とふと思った
確証はないが
なんとなくそれが正解のような気がした



ぺろんと性器を丸出しにして
洋式便座に腰掛けると

わたしこんなところで何してるのかな
とぽかんとしてしまうことが多い
タイル張りのひんやりとしたトイレは
日常に不意にぽっかり口をあけた
どこでもない空間のように思える

トイレから出ると
それまで見ていたはずの景色が
なんだか
懐かしいような感じで眼に映るから不思議だ
まるでほんの束の間
旅に出て戻ってきたみたいな気がする

特にわたしは

よく晴れた日に外出して
そこいらのトイレに入ることが好きだ
用を足して手を洗って外へ出たときに見る
ざあっと一面に咲き零れた
無数の花、花、花は
奇跡のように美しい

そこでようやく深く息をつける気がする



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