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ドライブというものには 本当は 目的などないのだ

2009年02月16日 02:14



忠実な番人のようにまっすぐに
立ち並んで道路を照らしている
街灯を幾百も幾千も幾万も越えて
車を走らせる
朝がどこから始まるのか
見に行くために

夜の中を走るということは
しらない町の映画館に
たったひとり座って
いちばん初めの宣伝が始まるのを
待っている時間のように
そわそわして静かで心細い


自動販売機の前に車を止めて
缶コーヒーを買った
ひゃくにじゅうえん入れて釦を押す
出てきた缶コーヒーは
たったひとりの友達みたいだ
丸くて優しくてあたたかくて

それが少ししか続かなくて
そのうちつめたく冷えてしまうところも


窓を開けてもう少し走る
ひらいた隙間から
風に乗ってやってきた恋人が
うまく入ってきて
助手席におさまり
エフエム放送を聴き始める
エフエム放送はいつも背後に
小雨が降っている気配がするから好きだ
ディージェイが押しつけがましくないところもいい

恋人は
しばらく電波に乗って聞こえてくる音を
首をかしげて聞いていたが
やがて飽きたのかまたすぐに
窓の隙間から風に乗ってどこかへ行った
目的地を聞くのを忘れてしまったが
たぶん同じところに行くんだと思う

恋人に限らず
わたしたち生きているものはみんな
同じ場所を目指して
進み続けているんだと思う

もう少しだ
と思う
何がもう少しなのか
はじまるのか終わるのか
それすらちっともわからないままに


夜が明ける頃に
どこかの海に着いた
車を停めて砂浜に座り
昇ってくる太陽をしばらく見つめる
朝は下からやってくるんだ
だから
夕暮れや真夜中
さみしくてしょうがないときは
足の下を掘れば朝があると思う
大変満足して車に乗り込んだ
スコップを買わなければならない
と思いながら

ずいぶん遠くまで来たと思ったのに
帰りつくまでには
一時間とかからなかった


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