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いつも持っているものもの

2009年01月23日 03:49


ポケットに入りきらないものは
なるべく持たないようにしている
あまり重いものを持つと
背骨が湾曲して
そのうち二つ折りにぱたんと
折れ曲がってしまいそうな気がして怖い


のどあめを
かみ砕くためだけに持っている
自分が世界よりもずれた位置に居るような感じがしたとき

例えば
おなかがすいたけど何を食べたいのかさっぱりわからない時
どれだけ水を飲んでも喉が渇き続ける時
裸のマネキンにうっかり欲情してしまった時

そういう時に
のどあめを幾つかかみ砕くと
抵抗できない弱い動物を殺してるみたいで
にやにやわらってしまうのだ

おとなしいミント味のそれらは
たやすくわたしの口内でばらばらになって

ああ
わたしの身の内に広がる
性欲と暴力的衝動は
夜空のように真っ暗で
果てしなく美しいのだ


書き留めておかないとすぐ忘れるから
ボールペンとめも用紙をいつも携帯しているのだけど
ボールペンはずいぶん前からインクが切れているし
めも用紙は裏の白いパチンコ屋のチラシを切ったものだ

書けないボールペンでめもする事は
当たり前のようだけどすぐに忘れてしまう
もやみたいな筆跡はどう苦心しても読めないから
諦めて裏返す
だからわたしは
どこのパチンコ屋に新台が入荷されたか
とか
そんなことばかり詳しくなっていく

なんだかむなしい
むなしいというよりさびしい
さびしいというよりかなしいのだ

めも
と平仮名で書くと
可愛い妖精の名前のようだ

今日
そんなことを思い付いて書き留めたけど
やっぱりすぐ忘れてしまって
スーパー海物語ってなんだろう
とか
ぼんやり考えている
ひとりで

書けるボールペンで書いても
可哀相
という三文字は
いくら練習してもうまく書けない


イヤフォンをひとつ持っている
ありふれた黒い色の
耳に押しこむタイプのものである
何も聞きたくない時や
わけもなくさびしい気持ちになりたい時
そういういざという時
耳に押しこむためとして持っている
どうしてかこの町には
どこの店にも耳栓が売っていない
このところ再開発計画などで
そこいらじゅうで工事の轟音が鳴り響いている
そのせいで眠れぬ人が増えたのだろうか
そういえば夜中に
蛾みたいにふらふらしている人が増えたような気がする

夕方
遠くからかすかに
工事の音が聞こえる線路に立って
イヤフォンを耳に押しこんでみる
そうすると
静寂の中で
わたし一人だけが生きているような
身の内にこの世界と同じだけのだだっ広い空間が広がるような
すうすうした気持になってさびしい
さびしいと同時に少しうれしい
どこにもつながっていないイヤフォンの線は
ただぶらぶらと揺れていて

頭蓋の中で小人が泣いているような気がして
でも少し経ってから
それは自分の心臓の鼓動だとわかる

夕陽に照らされた線路は
真っ赤に染まってどこまでも続いて
なんだか人の血管に似ている

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