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夫と死とわたし

2009年01月17日 02:39



夜中に
夫と二人で散歩へ出かけた
ちょうど満月の夜だった
月光の下で
昼間とはまったく違う顔となる
わたしたちは
白い息を吐きながら歩いてゆく
たましいを
少しずつ消費してゆくかのように

そのうち夫が何か見つけて
振り返りもせず駆けていった
わたしはこのように
いつも夫の背ばかり見つめているから
そのうち顔を忘れてしまいそうで怖い
いつか
知らない人についていって
どこかの河原で殺されそうな気がして怖い

街灯がふたつ
月みたいにぴかぴか光っていて
歩いても歩いても夫はいなくて

なんだか天国みたいだと思った
もうすぐ天国へいけると思った


夜中
時計の電池を
入れ替えようとした姿勢のまま
夫が台所で静止している
充電してやったが
もう手遅れだという気もする
その直角に曲げられた関節も
少し仰向いた顎も
かなしい

しゃこん
とまぶたを開いた夫は
既に人ではなくなっていて

わたしたち
やがて
電池の切れるようにあっけなく
死んでしまうのかも知れない


今日ころんでつくった
膝の傷口から
ちょっとだけ宇宙がはみ出している
わたしたちはみんな
体内に宇宙をかくしもっている
惑星がぶつかりあって
すさまじい音がする

包帯をぐるぐる巻きにしたけど
内側からにじんできて

ああ
そろそろ
呑みこまれてしまうだろうか
跡形もなく



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