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「あけましておめでとう」

2009年01月15日 06:34

路上が真っ白に光っている
雪が積もっているのだ
と思ったけれども
よく見ると
それは雪ではなくて
月光があまりにたくさん降り注いでいるので
それで雪のように見えるのだった
ひとびとは今日一日だけ
神を信じている顔で
例外なくこちらに背を向けて
黙黙と歩いてゆく
天国というものについて考える
こんな風なところだろうか
とても静かだ

路傍に設置された門松を見るたび
いつかあれに殺される気がして仕方がない
尖った先端がわたしの心臓に食い込む
そんな想像をする
きっと即死だろう
青々とした竹は
まだ伸びようとする意思を持っているかのようだ
空に突き刺さりそうにまっすぐぴしんと立って
ひどく勇ましい

煙草を買いにコンビニへ寄る
アルバイトがつまらなそうにレジを打つ
年が明けたのですよ
あなたは知らないかもしれないが
年が明けたのですよ
あなたは昨日までのあなたではなく
新しいあなたなのですよ
そんなことを言ってやりたくてたまらなくなる
すべすべした顔のアルバイトは
ありがとうございましたを気の抜けたように発音し
コンビニの中はいつものように整然として
白々とした光は清潔で
不定形なものが何もない
四角形のものばかりである
ここは異空間なのかも知れない

表へ出ると
ちょうど朝日が昇るところだった
吐く息が白い
誰へともなくおめでとうと呟いてみるが
わたしは
正月がおめでたいと思ったことは一度もないので
なんとなくわざとらしいおめでとうになった

おめでとう
去年の一年間は長かった
戦い疲れて死にそうだった
今年もまた一年生きなければならない
きっとまた死にそうになりながら
来年もわたしは生きているだろう

地平線から新年という
何か大きい怪物が
手をのばしてわれわれを捕まえに来る
だけどそれはこわくなくて
どちらかと云えば
どうしようもないような感じで
すすんで捕まりに行きたいような

神社では
長旅をした人をねぎらうかのように
大きい鍋で甘酒がふるまわれている
紙コップでそれをひとくち飲むと
わたしが
隅々まで新しくなってゆく



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