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わが身わがこころは不定なり

2008年10月26日 04:43


冬になりかけのこの時季は
空気中に
人をさみしくさせる成分でも
含まれているのだろうか
呼吸をするたびに
妙に胸がどかどか鳴るのだ

気付かないふりをしていると
視界の隅に青い花が入った
花なんて買った覚えはないのだけど
茎を掴んで根を辿ってゆくと
その花は
わたしの胸にあいた穴から咲いていた

道理でさっきから寒いと思ったんだ

とりあえず
ちり紙を詰め込んで隙間をふさいだが
相変わらず体の中心を吹き通る風
吹き通ってゆくのは
風だけではないのかも知れないが

嘲笑するみたいな感じで
へらへらへらへら花が散る
ちり紙に
体液のようなものが染みてきている


真夜中にわたしは
一個の大きな袋になる
橙の豆電球の下で
すっかり口をひらくのだ
体の中は空っぽである
いつも
いくら食べても
いくら遊んでも
何一つ詰まらない
這うように動いて
そこいらにある枕や箱のままの非常食なんかを
手当たり次第に詰め込んでみるが
それらは瞬く間に姿を消して
裏返しになった体の底に残るのは
薄い薄いレシートのみ
たったそれだけ

それでわたしは
とめどなく何かを悲しみながら
くたっと潰れてねむるのだ


眼前を爪で引っ掻くと
引っ掻いた通りの破れ目ができて
思いがけない闇が覗く
そこは いつ見ても真っ暗で
この世界の隣の世界は
どうやら闇に満ちているらしい
そのままにしておくのもどうかと思ったので
木綿糸で繕ったのだが
どうもその縫い目が気になって
黒い糸で縫ったからだろうか
何事にも集中できないようになってしまった

油断すると裁ちばさみを持って
縫い目を開こうとしている自分がいる

わたしはどこへ行こうとしているのだろう
はさみを握ってすこし震える

空気がぴちゃぴちゃ音を立てて
ゆっくり波紋が広がってゆく

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