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太古、わたしは土だった

2008年09月17日 16:54


わたしの昔居た場所は
遠い南の国でした
地面の下に重なる地層の
生暖かい汚泥の底
肉も思想も捨て去って
安らかに夢を見てました

百年も千年も万年も億年も
ずっと独りで 独りだけで
それでも大変安らかだった
自分の遥か上方で
生物が栄えている事を
地に足を踏ん張って
笑いながら生きている事を
おぼろげに感じていたからだと思います

わたしの
耳の横あたりでは
種が芽吹き根を張って
美しい花を咲かせる香り
モグラや虫や幼虫が
秘密の話を囁きます

それからまた百年千年
万年ほども経った頃
わたしはこの地に生まれました
初めは泥の中がなつかしく
安眠できずによく泣きましたが
言語や思想を学ぶうちに
泥の中のことは
すっかり忘れた
すっかり忘れた
と思っていました

そしてわたしは

生まれ落ちてから
二十四年経ちました
この頃は
ぼんやりしていることが多いです
夜も眠れぬようになりました
眠ったら眠ったで夢をみる
あの温かく湿った泥の
暗闇の中で横たわる記憶

ハローハロー
こんにちは
わたしは以前 土でした
あなた方を胸の上で
揺らしながら
育てていました

ハロー
こんにちは
はじめまして

一体あなたはどなたですか
わたしを知っている方ですか

今のうち言っておきますが

それでも死ぬのは怖いです
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