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何回書いても書き足りない、祖母のこと。

2008年08月08日 15:16

自宅で洗濯や掃除などしていたある日
実家の祖母から手紙が届いた
ひらくと便箋の真ん中に震える字で
おばあちゃんさみしいよ
とだけ書いてあった
思わず空を仰ぐ

祖母は漢字を習わなかったらしい
小学校でひらがなを習ってすぐ
機屋に勤めたと言っていた
機を織ったり繕いをしたりする場所だったらしい
そのせいか今でも裁縫がうまい
薄暗い居間でテレビをつけながら
自分を慰めるようにちくちく何かを縫っていたりする

わたしが上京するまでは
とても健康な祖母だったのに
先日実家へ帰った時には
もう足腰が立たなくなっていた
三年くらい前にうどん屋の駐車場で転んで
足首の骨を折ってから急速に衰えた
何を言ってもにこにこ笑って
仏壇にしまっているくしゃくしゃの千円札をくれようとする
いらない と言うと泣きそうな顔をするので
ありがとう と素直にもらうけれど
なんだか祖母から
お金以上に大切なものを奪っているようで
そのせいで祖母が老いてしまうようで切なくなる

祖母は早く孫の顔が見たいと言う
冷蔵庫から卵を出してきて
ほら孫だよ
と言うとおかしそうに笑って
そのまま掌に抱いていた
そして眠って夜まで起きなかった

わたしだって子供は欲しいけれど
子供を産んでしまうと
そのとたんに祖母が死んでしまうような気がして
逆に言えば
それまでは死なないような気がして
いつも避妊をしてしまう
わたしが何も生まないまま百年生きたら
祖母も百年生きるだろうか
百八十五歳と百二十五歳で
向かい合ってお茶を飲めるだろうか

千円はたばこを買ったらすぐになくなってしまった
ごめんなさいごめんなさいと言いながら空を仰ぐ

どれだけ大きい声を出しても
耳の遠い祖母にはきっと何も聞こえやしない
と思うのだけれども

もし 届くのなら


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