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祖母の葬式

2008年04月11日 01:03

ふかふかの椅子に身を埋めて
小人のように硬くなり
年中夢ばかり見ている祖母を
背中にそうっと背負い上げて
どこまでもずっと歩いてゆきたい

紺色の夜を越えて
名も知らない川を渡り
スニーカーなんか途中で脱ぎ捨てて
たまに果物をとってやろう
柔らかい熟したやつを手でつぶし
祖母と一緒にわらいながら舐めよう

そうして歩いていくうちに
やがて花が蛍のように
てんてんてんと足元を照らし
空から虹の雨が降るような
美しい場所に着くだろう
そしたらそこに立ち止まり
祖母を地面にやさしく横たえ
温かい土をかけてやろう

祖母は無言でこちらを見上げ
高音で少し鳴くかもしれない
そのとき祖母はすでにもう
人でない者になっているかもしれない

すっかり祖母が埋まったら
上で数回ジャンプして
地面が平らになるように
かたくかたく踏んでやろう
それからうなだれて涙を流し
振り返りながら去ってゆく

しばらくしたら忘れるだろう
祖母のことも光る花のことも
そのうちわからなくなると思う

そうなってもなお無意識のうちに
泣いたり祈ったりするかもしれない
祖母の椅子で祖母そっくりに
うとうと眠ったりするかもしれない

それがわたしの祖母に対する
ささやかな葬式のつもりである

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