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センソー

2006年08月11日 02:36


ばあちゃんは
音が無ければ眠れなかったそうだ
いつビーニジュウクが飛んでくるか
そんなことばかり考えて
不眠症になったんだろう

ある日
アメリカのバクゲキで
大切に育てた花が燃えたそうだ
飛び散った鉢
泣いてた妹

ばあちゃんはそのときまだ
ハタチくらいだった
わたしより幼かったのに
わたしより怯えて
クウシュウケイホウに
身を震わせて

あんなど田舎にも
確かにセンソーはあって
でも想像するしかない

悲しい
というより
焦燥感

いつか
ばあちゃんが死んだら
誰が

あれから六十年も経つのに
ばあちゃんはまだサツマイモが食えない
テレビをつけてないと眠れない
サイレンが鳴ると緊張する

まだセンソーは続いてる
確かにばあちゃんは戦ってる
しなびた手で守ろうとしている
記憶を
傷を
家族を
じいちゃんの遺影を

キレイゴトじゃなく
そう思う

ばあちゃんの背中はなだらかだ
けど
わたしより濃い真っ黒い影が
べったり貼りついてる
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コメント

  1. 漆黒斎 | URL | wMZsJTAw

    これは…

    女性ならではの視点ですね

    『誰が』と云う問題提起で終わらせないところに、センスの良さを感じます
    そして最後の、おばあさんの背中の描写に、独特の余韻が残って、より印象深い作品に仕上がってると思います

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