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悪夢

2007年05月14日 17:11



眼を閉じると
決まって見る情景がある
それは終電の車内
たたんたたん
と揺れる静かなベージュの箱の中で
わたしはお行儀のよい振りをして座っている

向かい側の座席の端っこには
ミッキー・マウスが座っている
ここで言うミッキー・マウスは
アニメーションとしてのミッキー・マウスのことではなく
意思を持たない外殻
つまり着ぐるみとしてのミッキ-・マウスのことである

ミッキー・マウスには誰も入っていないらしい
頭部が不自然にだらんと垂れ
まるで自堕落な若者のような格好だ
そうして
うすく笑ったままの顔で
たたんたたん
に合わせてぐらぐら揺れている


不意に電車はカーブに差し掛かり
ほとんど車内が真横に傾く
その所為で
ミッキー・マウスはうつぶせに床に落ちてしまう

背中のチャックが少し開いているのが見える
背中のチャックが少し開いていて
そうしてその中には
宇宙よりももっと暗い闇が広がっているのが見える

そこでいつもわたしは
叫び声をあげて飛び起きる
見開いた眼や口からは夜が流れ出して
ひどく冷たい

人が殺される映画を見ていた恋人が
不思議そうに振り返り
どうしたの
と訊く
どうもしない
と答えるわたしの顔には
確かにミッキー・マウスと同質の笑みが
うすく浮かんでいたようだった
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