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町歩き

2007年05月10日 18:19

町はいつの間にか看板だらけで
禁止事項ばかりが書かれている
許されていることなんて
何一つないみたいだ

立ち止まって
指定された場所で喫煙しているわたしの前を
靴がいくつも横切っていく
あれは自信を無くして
ついには
自分自身を見えなくしてしまった人たちだ
中にはまったく動かない靴もある
きっと立ったまま現実逃避して
そのまま戻ってこられなくなったのだろう
呼び戻すにも
何せ透明だから
どうしようも無いのである

駅からは
耳から充電を行う人たちが吐き出されて
コードにつながったままぞろぞろ歩いてゆく
なんでもアイポッドとかいう充電器らしい
その眼は虚ろで
きっと何も見えてはいない
その証拠に
信号を無視して横断歩道を渡ったが為に
跳ね飛ばされた人たちが
道路脇に折り重なってる
家でおとなしく充電していればいいのに
彼らの歩いたあとには
何故か音符がたくさん落ちている

その後から行進してくるのは
途方もなく大きな掃除機だ
音符を吸うだけでは飽き足らず
道まで吸い込んでしまうので
油断すると
帰り道がわからなくなってしまう
わたしの周りには
そうして帰り道がわからなくなった人たちが
泣きながらうろうろ歩いている

煙草を一本吸い終えて
わたしはまた歩き出した
通りかかったショーウィンドーには
流行に群がる小さな可愛い猿たちが
きゃーきゃー騒いでジャンプしている
あの猿たちは
流行のものを買わないと
死んでしまう習性を持つらしい
わたしは一番可愛い白い猿を抱き上げて
くちづけをしてやった
猿は
やだー
ときゃーきゃーしながらわたしから離れ
勢いあまってショーウィンドーに激突した
可愛いなと思う

しばらく歩いてから振り返ると
歩いた後に点々と
消しゴムのかすが落ちていることに気がついた

ああきっとこうして
人は消耗しながら生きてゆくのだろう
なんとなくにやりと笑ったら
少し小さくなった心臓が
さっきより幾分早く脈打って
なんだか苦しいような気分になったよ



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