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二ヵ月前に書いたであろう詩

2007年05月05日 17:50



歩くことによってしか
救われない苦悩もあるし
走ることによってしか
報われない苦労もある


わたくしは毎朝
夜がまだ明けきらないうちに
悩みでぱんぱんになった鞄を抱え
とぼとぼ徒歩で家を出る
すると
二度と帰れないような気がするから不思議だ
振り返ると家の門柱が
墓石みたいに見えた


悩みはどんなに丁寧に詰めても
僅かばかりの振動で
心臓の鼓動で
たちまち
ぼろぼろに崩れてしまう
悩みを完全な形で保つには多分
心臓を止めるしかないのだろう


会社に着いて鞄を開けると
もはや粉末になってしまった悩みが
風に吹かれて舞い上がり
暗雲となって雷雨を降らせる

大事な備品が濡れてしまう
このままでは
重要な書類も台無しである

思わず笑い出してしまった
向かいの席に座った社員が
不気味そうにこちらを見ているが
彼の名前が思い出せない
誰の名前も思い出せない


笑い終えると深夜だった


わたくしはわたくしが出来る唯一の仕事
則ち
出勤簿に芸術的な美しさで社判を捺す事
をする
すぐ終わる
仕事は他になにもない


そしてわたくしは帰宅する
爪は噛みすぎ
髪は掻きむしりすぎ
気は遣いすぎてしまって
いずれも
もう殆ど残っていない


もうすぐ春でよかった
春は再生の季節だから
眠るとき
どんなに傷ついていようが
朝にはどうにか戻っているから


門柱は相変わらず墓石のように
真っ直ぐ立ち尽くして微動だにしない

地中に潜行するように
静かにわたくしは眠りに落ちる

おやすみなさい
永遠に眼が覚めませんように
もうどこへも行けなくなりますように

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