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電車に乗って

2007年01月03日 14:38

久しぶりに
常総線に乗ろうと
思い立ったのは
速くもなく安くもない
あの電車が持つ
独特の安らかさが
恋しくなったためだった

無人駅の待ち合い室で
大人しく座っていると
頼んでもいないのに
陽射しがまるく
わたしの首を焼きあげてゆく
僅かにホットケーキのにおいがした

深呼吸をすると
冬の蝶々がひらひら
食道に迷い込んできて
そのままべたりと貼り付いて
喉元にりんぷんを撒き散らしてくる

さみしくて堪らない

ため息はるり色だった

電車の座席に座ると
乗客たちは
てんでばらばらの方向を見つめている
共有できるものなんて
ありはしないことを
端的にあらわしている光景だと思う

斜め前のカップルが
口移しであめをなめあっていた

その隣の子供は
見えないお友達と遊んでいる

ねむっている人の頭のうえに
いま見ているであろう夢が
ぼんやり浮かんでは消えてゆく

わたしは黙ってまばたきをして
ときどき
不埒なことを考えていた

どこまで電車は走るのか知らん
走行音に反応して
蝶々がばたばた騒ぐから
何回も咳込んでしまう
呼吸を知らない魚のように

結局
知らない駅で降りてしまった
すとん
と降り立ったときに気付いたのだが
網棚に目的を忘れてきたらしい
電車を見送って
これからどこへ行こうかなと思う
とりあえず自動販売機で
玄米茶を買った

なまあったかい玄米茶と共に
冬の蝶々が
ゆっくり溶けてゆく

次の電車は
一時間後だと云う
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