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八百年前の月夜に

2006年11月29日 15:58

深々と更ける夜にふと
八百年前だったね
と母が青白い声で言った
丁度八百年前に
お前がうまれたのだね


わたしは
鉛筆を置いて振り返る
そこに居るのは
母親に似た
違う人だった
多分わたしも
月光を浴びて
わたしに似た
違う人になっているのだろう

かすかに息を吸って
ああそうだね
と返答した
そうだね母さん
わたしが生まれたのは
今から八百年前の
このような満月の夜だったね


母は微笑む
白檀のような匂いがする
わたしたちはちんまり座って
眼の前の地平線を眺めた
衣擦れの音

八百年前にはまだ居なかった
父の寝息が聞こえる

夜明けが近かった

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