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昨日と今日と明日の話

2006年10月26日 18:25


助手席に見慣れない人が乗っているな
と思ったら
それは昨日、と云う名の女らしかった

でも一応
どなたですか
と前を向いたまま聞いたら
知ってるでしょう
と香水みたいな声で答えた
高速を降りる辺りで
昨日は
すふ、と笑いながら掻き消えた
何だか馬鹿にされたみたい

ダッシュボードには
昨日の置いていったらしい
赤い付け爪がひかって居た
落葉みたいだった


白いスニーカーで
水溜まりにうつった太陽を
ばりんばりん、
踏み付けながら歩いていると
迎えに来たよ
って
今日がわたしに絡み付いて来た
今日は冷え症らしく
体全体が骨みたいに冷たかった
その冷たい手で
わたしを
全然行きたくない方向に
連れていこうとするから
厭、と言ったら
思ったより切迫した声が出た
今日は心から不思議そうな顔で
すく、と鼻を啜った
すく、と同時に
夕陽がぼたっ、
垂直に落ちた


電柱の陰で
明日を待っている
電柱はほのかに温かく
生きているみたいだ
ぎゅう、と抱きしめた
わたしにはほかに
抱きしめられるものが何も
無いから

明日が来る筈の方向に
眼を凝らしたけど
近頃めっきり視力が落ちたせいだろうか
瞳孔が僅かにひらいただけで
何ひとつ
見えなかった

いつの間にか真夜中で
外灯が
ち、とスパークし
生温いものが
背後で立ち止まった
気配を感じた
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コメント

  1. 慧 | URL | -

    これいいですね。
    かなりいいですね。
    この詩大好きです。

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