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裁縫

2006年10月26日 11:17


端然と正座し
釦を縫い付けている
暮夜
或いは早朝に

樹脂性の穴から
すう、すう、あらわれる
白銀の針は
其の都度
見たくもないような
懐かしいようなもの
に変化する

昔の恋人や
死んだ同級生や
通学路に死んでいた毛虫や
あの時吸ったサルビヤ
たちが
糸を引いて
二つの穴に出入り
刻み込まれてゆく

玉結び
糸を裁つと
針は細長く畳に突き刺さり
それは三日月に似ていた

ふと
膝のうらが結露する
そこから海が拡がってゆく

骨盤も釦も大事なところも
一緒くたに濡れて

足の裏から魚が侵入した
背骨をたどって
つむじ辺りに漂って
その感覚が
すこし悲しくて
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