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夕暮れとくずかご

2006年09月15日 17:38



手を持っていくと
おなかの中に夕焼けが
広がっているのがわかった
指はどんどんおなかの中へ沈み
とうとう二の腕まで入ってしまったとき
夕焼けのまっただ中で
何かがつめに引っ掛かった
それは生温かく
蒸気か体液かで湿っていたが
握り締めてゆっくり引き抜くと
空き缶だった

空き缶の中には
今までわたしが飲み込んだもの
太陽の光や
夏の残骸や
蝉の死骸のイメージや
空想や
秘密
なんかが
いっぱいまで詰まっていて

人差し指が汚れてしまった

中身をくずかごの中へあけてみると
乾いた音を立てて
それらのがらくたが
吸い込まれていく
くずかごには底が無いみたいだ
ちっともいっぱいにならない
覗き込むと
異国よりももっと遠いところから
かすかな水音が聞こえた
きっと井戸になってしまったんだ
アルミの小さいくずかご

おなかが寒い
きっと中で日が暮れてしまったんだろう
床に転がっていた携帯電話を巻きつけると
わずかに温まったが
あっけない感じで冷えてしまった
携帯電話が逆に折れて
死んでしまった所為だ
もともと二つ折りだったんだから
別に構いはしないのだが

わたしはひゅるひゅるに壊れてしまった
携帯電話を一応巻いたまま
ごみ捨て場にくずかごを置いた
くずかごは黙ったまま
運ばれていってしまった
つめたくてしょうがなかった

おなかの夕空は未だに閉じない
もしかしたら
生まれつき持っていたのかもしれない
気付かなかっただけで

わたしの体内はいつでも夕暮れで
蛍光灯を消しても
穴から光が漏れるから
みつかってしまう

逃げても
かんたんにみつかってしまう

毛布か何かを
詰め込んだほうが良さそうだ

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