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夕刊

2006年09月15日 17:22


洗濯物を取り込んでいると
夕刊が空から降ってきた
わたしはうす青く染まった
その薄い紙の鳥を捕まえてひらく
中には
まだ固まっていないゼラチンのような
やわらかいニュースがたくさん挟まっている

ヴェランダに沈んでいる
わたしの姿は
遠くから見るときっと
家の無い子のようであろう

やがて夜がくるので
わたしは夕刊をヴェランダに出したまま
わたしの肋骨の中のような
広い部屋に戻ってゆく

夕刊は翌朝になると
すっかり乾ききり
新鮮だったニュースももう
かさかさの死骸みたくなっている
ニュースは薄れて蒸発し
新聞紙は只の紙くずになってしまう

わたしはそれを千切って焚き火にくべる
すると紙くずは空を昇っていき
また夕方に降ってくるのだ
あたらしくうまれかわって

最近は陰惨なニュースばかりで
まったくもって厭になってしまうが
それでも空気が乾いて
火がよく燃えるので
わたしは上機嫌である
膨らんでいく火はおそらく
いつか
わたしを呑みこんでしまうだろう
そんな気がする
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