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ちぐはぐな三十一文字たち

2011年02月01日 09:04

※twitterにて詠んだ短歌たちです。時系列やジャンルはバラバラです



からっぽの午前零時の通学路つばきの首がぽたりと落ちる

凍てついてみしりと軋む骨の音ただ聴いている深夜二時半

教室の隅でひっそり角砂糖かじる孤独な砂糖病シュガー・ブルース

原っぱの廃車に乗ればいつだって宇宙へ飛べたあの頃ぼくらは

忠実なともだちみたいだ真夜中の静寂やぶるケトルの笛の音

昼下がり総ての音を吸いあつめ海月ぺったり空に冷えてる

変声期むかえた君が忘れゆく「少年」という澄んだ旋律

夏の陽を浴びて自転車こぐ君の月白いろした背骨が透けてる

恋をしようポテトチップスひとふくろ食べるくらいの罪悪感で

「どこからでも切れます」みたいなひとだった優しい嘘だけついていた君

100均のハンコ売り場で君の名を探す化石を掘り出すように

ローソンの看板みたいなあの青にまぎれて僕は空になりたい

夕暮れに屹立してる電波塔、標本みたいに途方に暮れて

まっしろな大根を剥く妹をさわるみたいに躊躇いがちに

元気か?と誰かに電話する兄の部屋から時報の声がきこえる

たいせつに布団のなかの闇たちを抱えて眠る君はやさしい

夕暮れの野原で夜のけものらが春を待ちつつ輪になり踊る

迫りくる夜のけものを追い払うために燐寸をすり続けてる

透明な朝のひかりに融けてゆく遊び疲れた夜のけものら



『連奏十七夜~600首の言の葉たち~』にて詠んだ歌

二一三 間違えたぼくを訂正するように飛行機雲が空に伸びてく

二三八 浴室で化粧を落とす今日というひとつの童話を終わらせるため

二六三 ガラス器にとぷりと陽射しを汲んで飲むわたしのなかも晴天であれ 

三八七 夏草のにおいがしてた男子らの身体検査後の保健室

五一九 くち開き虚空の青でのど満たすもう長いこと雪を見てない 
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One year of us.

2011年01月01日 12:15

★一月

一月の寒さが床にさざ波を立ててわたしのくるぶし濡らす

元朝にぼくらは羽化しあたらしくやさしく強く生き直してく

★二月

目をすすぎ夢の断片流し去る悪夢ばかりを見ている二月

如月のまだ濡れている太陽はチャーミーグリーンのにおいがしてる

★三月

三月の明るい土手で夢想する世界が終わるときの光景

公園の隅で逆上がりする子らがくるりくるりと青空を踏む

★四月

毛羽立った四月の陽射しが眼球を優しい爪のように引っ掻く

たくさんの金魚を埋めたあの場所に菜の花びっしり咲いてる卯月

★五月

思春期の少年に似て新緑は五月の夜にぎしりと伸びる

体内で芽吹いた言葉が花ひらき口からはみ出す初夏の教室

★六月

雨という透明な檻にとらわれて僕らどこへも行けないみたい

六月の躰は海を恋しがりだんだん魚に退化してゆく

★七月

七月の放課後だれかの歌声が涼風りょうふうとして青田あおたを渡る

太陽が七月を荼毘に付している日暮れの空がすこし焦げてる

★八月

八月の陽射しがとても鋭くて僕たちみんな傷だらけだね

いらいらと消費されてく制汗剤のように消費される唇

★九月

合唱部の混声練習きこえてる金木犀の香が満ちている

封筒に九月の銀河を閉じ込めて遠くで生きてる君へ送ろう

★十月

ただ聞いてほしいだけだとダイドーの自販機に話しかけてみる秋

ためらい傷に似た飛行機雲が伸び十月の空はしみじみ高い

★十一月

切れかけて点滅してる街灯に合わせ点滅してみる(さびしい)

部屋の隅の闇に名前を付けて呼ぶ十一月の夜は静かで

★十二月

前を行く男女のコンビニ袋からコンドームの箱はみ出している

クリスマスケーキの砂糖人形は夢みせ終えたサンタの遺骨








追記
【新春企画 - diary 2011】にて、一月の歌を詠ませていただきました。素晴らしい企画に参加できたこと、とても光栄に思っています。今回の作品は、十二ヶ月分の歌を自分一人で詠んだらどうなるのかという興味から書いたものです。diary 2011と併せてお楽しみいただければ嬉しいです。

2011年1月1日 吉田群青

午前4時

2010年08月02日 16:56

真っ白い己の腿に鋏でも突き立ててみたいような夜です

自分より哀れで小さい生き物をただ滅茶苦茶に愛してみたい

キッチンで体育座りする夜は冷蔵庫だけがともだちみたい

真夜中の横断歩道の真ん中に画鋲がひとつ落ちてた、罠かな?

唐突に不安になって左手の生命線をじっと見つめる

眠れない夜にはやたらと画数の多い漢字を練習してみる

ひたすらにクロスワードを埋めてゆく君のことなど忘れた振りして

ベランダに落ちてきた星を拾い上げボンドで空へ留め直す夜

嘘みたいな薔薇色の夜明け眺めてる全部やり直せそうな気がして


本気さえ出せば仕事は見つかるの?教えて(26歳・女)

2010年07月10日 05:14

この部屋はわたし一人の王国だ森も魔法もネットにあるし

また今日も朝がくる朝あさがきた、大人になんかなりたくないよ

声も眼もいらない僕の表情は記号があればあらわせるから

ひとつだけ聞いておきたい働けば救われますか夢見れますか

同級生からきた子供の写真入り年賀状を焼き捨てていく

(早朝の番組で女子アナの言う『いってらっしゃい』に傷つくんだよ)

水槽に似ている深夜二時の部屋PCだけがただ明るくて

「ニートなの?羨ましいよ」と言ってくるお前なんなの?ばかなの?死ぬの?

コンビニの面接にさえ落ちた僕きっとこの世に要らないんだね

見ぬ振りと聞かぬ振りだけ物凄くうまくなったよ誰か褒めてよ



フグ田一家について

2010年02月18日 13:16

膝抱え何度もサザエさん(録画)観る月曜が来ませんように

不安げな瞳が黒く濁ってるマスオは君だそしてわたしだ

「タラちゃんは成長しないの週一度三十分しか生きれないから」

(ステュルルル)タラちゃんのあの足音を出すため、きしり、廊下を歩く

「どうしてもワカメのパンツに目がいくよ」瞳を伏せてかなしがる君

体毛も乳首も性器も無い彼ら無性生殖してるのか知ら

老いぬままいくつも季節を越してゆく日曜夜のサザエさんたち





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