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うみ(はろうけいほう)

2006年12月16日 14:36


じめんにせんをひいて
そのなかにすわってみる

おきのほうから
よびごえがきこえる
うみねこか
それとも

なみがかきけしてゆく

さとうのようなすなを
つかんでくちにいれる
いのあたりで
さんごがからからという

きょうかいせんはまもなく
なくなるであろう

さびしいという
ちんぷなせりふさえ
くちにだせなくなったのは
おおきくなったからだろうか

なみがかきけしてゆく
ぱらそるがとんでゆく

ふくらんでゆくのは
ちぶさだけではなかった
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ピクニック

2006年12月15日 18:51


君の賢さを
手巾に包んで
ワンツースリー
を唱えればきっと
それは白い鳩になり
丘の向こうへ飛んでゆく

机のうえの
ポケットティッシュよ
古ぼけた文庫本よ
かわいらしい携帯電話よ
乾いた黒のボールペンよ
いっそ
みんな連れてゆこう

ビニールシートを
薔薇の形にひろげて
枯れ木で地面に詩を書こう
そうして賢くなくなった君を
膝に抱えてなぜていよう

家出

2006年12月15日 18:36


呼吸の仕方を
忘れてしまった人が
月あかりを浴びて
縮んでゆく

そのさまは
行き場を無くした
猫みたいに見える

トタン屋根から
びりびりと
引き裂かれたような空を
人工衛星が横切り

くらくらとしたのは
目眩だったか
無人の公園の砂場は
死んだ象の墓みたいに
盛り上がっている

ずいぶん遠くへ来てしまった

缶コーヒーのタブを
勢いよく押し上げると
猫の鳴き声が響き渡り
夜が肺に満ち満ちる

分離不可能だと思った
世界からも現実からも
自分自身からも

三日月が
いやあれは
瞳孔だ
見ている

家族(短歌)

2006年12月14日 21:43


『癌と云う/漢字が書けるようになりました』/外科医に向かいて父が笑う

『お父さんの/腎臓を見たよ』と呟いて/遠くを見つめる母の背中

『治るよね?』/テレビを見つめて兄が聞く/誰も答えずみそ汁が冷めてく

早口で/『年末に帰る』と言う妹/ノイズの向こうに男声が混じる

おそらくは/祖母にも見えている筈だ/息子の背後に立ち込める闇

『風邪ひくな』と/布団の中から父が言う/『なら死ぬな』と言いたい解ってる言えない

女であることの再認識(トイレ編)

2006年12月14日 15:53


ファミレスのトイレは
どこもラベンダーのにおいがして
前に入った人の抜け殻が
まだ残っているような気がする

隣の個室から
ライターを点火する音が聞こえる

後ろの壁に描かれているのは
多分女性器だと思う
そんなにも
女でいることが悔しかったのだろうか
線がかすれている

水は勝手に流れてゆく
隣の女はまだ出てこない
変態の途中なのかもしれない

バージニアスリムの煙が
幽霊のようにゆっくり漂って

手を洗って振り返ると
さっきの個室には
色の薄いわたしが
ズボンも上げずに
まだ座っていた

確かに女だった



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